曽根大使着任挨拶

令和7年10月24日
曽根大使

駐チリ共和国日本国大使
曽根 健孝(ソネ ケンコウ)
 

 はじめまして、駐チリ日本国特命全権大使として10月17日に着任しました曽根健孝(ソネ ケンコウ)と申します。
 外務省ではこれまで、北米およびアジア太平洋地域、経済、広報文化交流、マルチ外交分野などを中心に勤務し、駐ロサンゼルス日本国総領事を経て駐チリ共和国の大使を拝命しました。

 中南米地域はこれまで何度か出張で訪問したことがありますが、チリへ来るのは今回が初めてとなります。チリは、北は砂漠、南は氷河、東にアンデス山脈、そして西に太平洋を臨む多様性に富んだ国であり、また、日本と同じように四季折々の美しい自然に満ちた国であると聞いております。到着時には、アンデス山脈の雄大な姿に圧倒されました。
 日・チリ二国間関係は本年、1897年の日チリ修好通商航海条約の締結から128周年を迎えました。チリにとって我が国はアジアで最も長い外交関係を有する国です。両国は、民主主義や人権、法の支配などの基本的価値や、自由貿易、多国間主義等の原則を共有し、国際場裏で長く協働してきた戦略的パートナーであります。また、日本・チリ経済連携協定に加え、CPTPPの発効により益々発展している貿易投資関係、鉱業・エネルギー分野、防災分野等での技術協力、防衛協力・交流、天文学・医療等を中心とした科学技術・学術交流、スポーツ・文化交流など、日チリ間の協力関係は多岐にわたります。
 日本では高市新政権が発足し、世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻すとの基本方針が表明されました。世界情勢が引き続き不確実性を増すなか、対話や相互理解に基づく国際協力・協調がより一層重要となっていますが、日本とチリは互いに成熟した民主主義国であり、太平洋を挟む「隣人」として、両国の長きにわたる友好協力関係を益々拡大・深化させていくことができる確固たる信頼関係の土台を共有しています。当館としても、チリ及び中南米において、高市新政権の掲げる「力強く視野の広い外交」の実現に尽力してまいる所存です。

 また、大使館としては、在留邦人の皆様の安全を確保すること、また日本企業が安全にビジネスを拡大し、チリ経済に貢献しつつ、その利益を確保できるよう後押しすることが最重要任務です。チリは我が国の経済安全保障の観点からも重要な資源国であり、かつ南米市場へのゲートウェイとしても重視されていると認識しております。在留邦人の皆様が安全で健康かつ快適なチリ生活を送ることができ、また日本企業の取組みが益々発展・繁栄するよう、館員一同、真摯にサービス・支援を提供し皆様と連携して参りたいと考えております。

 南北に長いチリの各地をできるだけ多く訪問し、多くの方々とお会いしてチリを知り、日本とチリとの関係について学び、一層緊密な両国関係となるよう取り組んでいきたいと思っておりますので、皆様からの御支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 
令和7年(2025年)10月24日
チリ共和国駐箚日本国特命全権大使 曽根 健孝