館長挨拶

令和6年1月1日
伊藤大使

駐チリ日本国大使

伊藤 恭子(いとう たかこ)
 

1令和6年の年頭にあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げます。

昨年最後のワーキングデーである12月28日にボリッチ大統領に信任状を捧呈し、いよいよ正式に駐チリ日本国特命全権大使としての活動が出来ることとなりました。新年の始まりと共に、日チリ関係強化に向けるアクセルを踏み込み、前進させていきたいと考えています。

チリに着任して一ヶ月余りの間、チリ政府の要人の方々や、当地に進出されている日系企業の方々および日系人の方々とお会いして意見交換を行う場を持って参りましたが、日本とチリとの間に存在する長い友好関係の歴史と、資源・エネルギー分野や学術交流をはじめとする様々な分野での協力の可能性につき、改めて認識を深めることが出来たと感じております。本年は、お話を伺ったチリ国内の各地を訪問し、様々な現場でチリの人々と共に活動されている日本人の方々にお会いしてお話を伺うと共に、日チリ関係強化の上での課題についても直接に学び、チリ側関係者に訴える機会も増やしていく所存です。

また、ソフトパワーを含む日本文化の多様な魅力の発信についても強化していきたいと考えており、チリ国内各地における草の根レベルでの日本関連行事や、地域社会との交流行事にも積極的に取り組んで参りたいと考えています。

本年は、ブラジルがG20の議長国に就任し、またペルーがAPECの議長国となることから、これらの枠組みの下で行われる様々な会合への参加のために日本からも多くの人々が南米を訪問し、南米に対する関心が高まることが期待されています。そのような機会に、日本からチリへの訪問も増加し、日チリ経済関係が一層深められるように努めて参りたいと思います。

さらに本年は、日本とチリが協力して第三国への支援を行うための「日本・チリ・パートナーシップ・プログラム」が締結されてから25年目になります。日本が中南米で初めて締結した「三角協力」の枠組みの下で、防災分野を中心にJICAのプロジェクトが行われてきているところ、中南米地域での課題に日本とチリが協力して取り組んでいることについても焦点を当て、地域の人々の理解を深めて行きたいと考えています。

日本とチリが共にメンバーである経済協力開発機構(OECD)は、今年で創立60周年を迎え、日本は本年のOECD閣僚理事会の議長に就任します。「よりよい暮らしのためのよりよい政策の構築に取り組む国際機関」においても、日本とチリが協力して成果が上げられることを期待しています。

令和6年は辰年です。昇り龍のように、上昇の勢いを得た活気のある一年となり、皆様の日頃の努力が本年の大きな発展につながることを心より祈念申し上げます。
 

2024年1月1日
伊藤 恭子